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反省思考

アップルコンピュータの創業者スティーブ・ジョブスが若い頃から禅(ZEN)に傾倒していたのは有名な話です。

禅の思想がアップルの製品に多く宿っていると。2017年にできたアップルの本社屋「アップルパーク」などは、禅の円相を思い起こさせるデザインになっています。


さて、2005年にスタンフォード大学での学位授与式で、スティーブ・ジョブスが卒業生に送った伝説的なスピーチをご存知でしょうか?

YouTubeにも沢山あがっていますので、是非ご視聴になってください。

全スピーチが素晴らしいのですが以下の部分を抜粋してご紹介します。

The first story is about connecting the dots.

点を繋げること。

スピーチ書き起こし:Of course it was impossible to connect the dots looking forward when I was in college. But it was very, very clear looking backwards ten years later.Again, you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something ― your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

和訳:もちろん、その出来事の繋がりを大学時代には予想してはいませんでした。10年後に振り返ると、実にはっきりとしているのです。点と点の繋がりは予測できません。後で振り返って、点の繋がりに気付くのです。今やっていることがどこかに繋がると信じてください。何かを信じてください。あなたの根性、運命、業、何でも構いません。その点がどこかに繋がると信じていれば、他の人と違う道を歩いてても自信を持って歩き通せるからです。それが人生に違いをもたらします。

如何ですか?

非常に禅の思想を勉強していたことがうかがえるスピーチだと私は思いました。

禅など仏教哲學には「反省思考」というものがあると教わりました。現実の問題を解く鍵は自分自身の過去にあると。

「反省」という意味は「詫びる、謝る」という意味ではなく過去を省みるという意味です。

皆さん一人一人、その瞬間、瞬間をどう進むか選択をしてきているわけですが、それが無意識に行われていた出来事も多かったはずです。

ジョブスの場合は、人生が幼少期から実母に養子に出されたり、大学を中退、創業したアップル社から追い出されたりと、とにかく波乱万丈です。しかし彼は、この一見バラバラだった出来事が実が全て今に繋がるために必要な選択であったと瞑想や反省思考を通じて、きっと見えたのだと思います。

人は苦しいピンチに立たされると、その現実に悲観しがちで、未来すら描けないと嘆くものですが、その状況を作り出したのは自分の過去に原因があると、その選択を省みて全ての経験が無駄ではなかったと肯定してあげるだけ、今、目の前に起きている事の理由がわかります。例え、それが難題であったとしても、実は成長するための試練、課題を与えられたと思えば現実の見え方が違ってくるのではないでしょうか?そこから初めて未来が拓けていけると思います。

80年代にブームを起こしたハリウッド映画「Back to the Future バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、まさにこのイメージそのものですよね。

ポジティブシンキングを教えるコーチングの先生などは、「ピンチはチャンス」ということを良く言うと思います。仏教哲學を含む王道學では、「天は人生において解けない問題は出さない」と教えています。


一陽株式会社では、お客様の過去の出来事を反省思考を使い一緒に省みていく作業から「幸せ年表」を作り、会社の夢を叶えるお手伝いをします。

お悩みのある経営者様、お気軽にお問い合わせください。